αー3
目に映っているのは、
弟の学の、口を半開きにした
ちょっと、まぬけでかわいい顔だった
「幽霊の僕を見てもまだ、神様がいないと思う?」
と僕が笑いながら問いかけると、学は首を横に振ってこう言った
「いや・・・いると思うけど・・・、まだどうもピンとこなくて・・・」
ちょっと焦っている学を見るのは久しぶりだな〜
と思った・・・
僕が死んでから、学は元気が無かったし、
全然かわってないな〜とは言ったけれど、
お父さんの仕事の関係で家は引っ越してるし・・・
でも、全然変わってないものがここにあった。
それは、学・・・
病気なってからというもの元気がなかったらしく、
暗い顔ばかりしていたけど、
今はこんなにもいろいろな表情を見せるようになってくれた・・・
その表情は、僕が死ぬ前と本当に全然変わってないものだった
「兄さん、どうかしたの?口元とがニヤけてるよ?」
この声でふと、我に返って自分の口元に手をやると、
確かにニヤけていた・・・
「それは・・・、学としゃべるのが久しぶりでうれしいからだよ。」
と僕はテレながら言った・・・
僕は話を変えた・・・
「長い距離は歩ける?」
と聞くと学ぶは、首を横に振った
「歩けないんだ・・・長い距離は・・・でもどこに行くの?」
と不思議そうに聞いてきたので僕は答えた・・・
「希願神社だよ」
「無理だよ兄さん、歩いて10分かかるし・・・」
「なら飛んで行こうか!」
また、学は口を半開きにした
この顔は、何度見ても面白いな・・・
「飛ぶ!?できるの?!」
と言う学ぶの目には、
明るい光が見えたのだった・・・