αー2
「全然、変わってないな・・・」
と僕が言うと学は首を横に振った。
「変わったよ・・・、見てすぐに兄ちゃんだってわからなかった・・・」
僕は笑いながらこう言った。
「学と同じ様に調整してるからね」
「そうなんだ・・・って事は、今すぐ大人にも・・・」
「勿論!でも俺らは双子だから、学と一緒に姿を変えるんだ」
すると学は暗い顔をして、うつむいきこう言った・・・
「ごめんね・・・兄ちゃん・・・あの時から心に決めていたのに・・・
兄ちゃんの分まで生きるって・・・でももう無理みたい・・・」
学ぶの目から、さっきより大きい粒が流れ落ちて、床に滴が水玉を作っていた・・・
βー3
兄さんが、来てくれた・・・
今の俺にとってはこれ以上、うれしいことはなかった・・・
でも・・・兄さんとの約束を守れなかった自分がくやしい!!
そう思うと、涙が止まらなかった・・・
「泣くなよ!僕がここに来た理由は、学を助ける為、
なんだよ?ねぇ?泣くなよ。」
と兄さんが微笑みながら言った・・・
僕はその言葉を聴いて驚いたと同時に、唖然とした・・・
「俺・・・俺は助かるの?!兄さん!?」
「あぁ勿論さ!その為にここに来たのだから!」
「でも、医者がもう治らないって・・・」
僕がそういうと、兄さんは
「絶対治るよ!それは僕が保障するよ!」
その言葉を聴いた僕の胸は熱くなった・・・
「俺がピンチになると助けに来てくれる・・・、やっぱり兄さんはかっこいい良すぎるよ」
そういった俺の涙は、冷たい涙から
暖かい涙へと変わっていたのだった・・・
「でもどうやって、治すの?」
俺は兄さんに尋ねた。
なぜなら、医者でも治らないと言っているのに
どうやって治すというのだろうかとても気になった。
「神様に治してもらうんだよ!」
それを聞いた俺は、馬鹿みたく口を開けてしまった・・・